CQ出版社の発行しているトランジスタ技術誌の2005年4月 号はR8C/15マイコンの付録で話題になりましたが，同じ号にNECエレクトロニクスがぶつけてきた，8ビ ットマイコン78Kシリーズの広告も印象的でした．とくに，アンケートに答えると 先着1000名に78Kのスターターキットがもれなくプレゼントされる，という企画 は，たちまち話題沸騰となり，雑誌の発売日から数日で簡単に 1000名を越えてしまう盛況ぶりとなりました．おそらく予想以上の反響に喜んだ のでしょうか，追加で150セットを抽選でプレゼントする，ということになりま した．わたしはトラ技を買うのが遅れて（がきんちょがひどい風邪ひいて自宅軟 禁だったのです），先着1000名に応募しそこなってしまったのですが，幸い抽選の 150セットのほうに当選し，キットを入手することができました．(2005-04-12)

[2005-05-31 追加]サンハヤトから 78KマイコンのDIP版とライターが発売だとか．H8/3694, R8C/15に続いて 78Kまで！すごいねえ．．．

こんな箱に入って届きました．

お手紙が入ってました．

こんなチラシも入ってました．チップ３つ入りで1680円（ASMISネットショップ価格）になるようです．別途ライターが必要ですが，PG-FPL2という製品が使えて10500円． まずまずというところでしょうか．

チラシの裏側．

肝心の中身です．基板，ソフト，ケーブル．

基板は導電性の袋の中．

ソフトウェア．トラ技プレゼント用の文言あり．

ケーブル．A-miniBタイプ．

基板の拡大写真です．えーと，CPUはどこ？:-)　あーいやいや，わかりますよ， もちろん．USB-シリアル変換，プログラマの役目を果たすCPLD，レギュレータ， 可変抵抗にLED，リセットスイッチに割り込みスイッチ，ユニバーサル基板部分，と．．．

基板の裏側．

さてさて，これから動かしてみるわけですが，無事動くでしょうか．．．

おお，動いているようです．これはライトデモ．キースイッチを押すたびにLEDの点滅パターンが変わります．(2005-04-13)

以下，感想を少し．(2005-04-14)

• インストールしたUSB serial port が，うちの環境ではCOM11に割り当てられたのですが，これがPG-LPCから認識されません．COM2が空いていたのでそちらに無理やり変更したらうまくいきました．大きな番号のCOM??をソフトが想定していないのでしょうか．マニュアルにあるLatency timerの設定は，マニュアル通り16にしました．デフォルトは2か4ぐらいになっていましたが．16から2にもどしてもうまくいくかどうかは未確認です．
• 基板上のＶＲは，何回転でもぐるぐる回ってしまう．おそらくシューが抵抗部分と接していない場合が生じるのか，ADCtestで，ＶＲをまわしたときのLEDの点滅が不安定な位置がある．クリックぐらいつけといてほしいなあ．
• ソフトシミュレータ等も完備で，PSoCに比べると相当極楽な開発環境に感じます．逆に言えば，うまくいかないことを楽しむ環境ではない，ですね．．．
• 線を出してくれば，低速だけどUSBライタとしてつかえるよ，という指摘が2chの電気・電子板に出てました．１万円のライタなら一瞬で書けるらしいですが，趣味だからこのぐらい（１分弱ぐらいかな）かかっても悪くはないなと．
• ロボット（ライントレースとか音声反応ぐらいのレベル）のキットの頭に78Kを使って，それ用の開発環境とをセットにして，２万円から３万円ぐらいの値段で販売する，などとやれば，中学高校の教材としておいしいような気がします．完成されたブラックボックスとしてマイコンをみる立場なら，このぐらい完成度の高い開発環境があるので，ハードのごちゃごちゃした部分にあまり拘束されないで，自律ロボットの最初のステップを学ぶのに，適当な抽象度が提供できるのかなあと．