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雑文のコーナー(1)

電子回路玩具が満たすべき要件

「電子回路玩具が満たすべき要件」とは何とも堅苦しい言い回しですが,要はわたしが 電子回路玩具に求めているもの,について書いてみようというわけです.(2002-10-23)

1.おもちゃとして楽しいこと

玩具である以上,まずは理屈ぬきに面白いと感じる要素がなければ魅力に欠けま す.とくに,回る,動く,光る,音が鳴る,といった出力の部分と,光を感じる, 音を感じる,水を感じる,といった入力の部分は,おもちゃとしての工夫のしど ころのひとつでしょう.[2003-08-29 追加] 現時点ではやや物足りなく感じていた学研電子ブロック も「拡張キット光実験60」の追加パーツによってかなり補強された感じがします.

2.組立てとばらしの繰り返しに耐える仕掛けと強度があること

自分のこども時分を考えると,乱暴に扱っても壊れないこと,というのは とても重要な気がします.電子ブロックの構造は その点でとてもよくできていますね.マイキットのスプリングはちょっと 弱くて,ばねがすぐ伸びてしまいます.kid inventor のスナップは アイデアは秀逸なのですが,部品自体の作りがかなり甘いのでバツ :-) ものは日本に作らせたほうがいいって :-)

3.おかたずけがしやすいこと

部品をきちんとかたずけるための部品ボックスがちゃんとしていることが 大事だと思います.一目見て部品の過不足がわかるようになっていれば, 抜けていると恥ずかしいですから,一生懸命かたずけますし,組立ても すばやく行なうことができます. よく製造業の会社で,ドライバーなどの工具を壁に貼り付けるように して管理していることがありますが,あの感覚です. kid inventor は合格.EX-150は不合格 :-)

4.実は論理的に整理された構造をもっていること

いくら最初の食いつきがよくても,いきあたりばったりで作られている玩具は, 許される組み合わせが少なかったり,例題が面白くなかったりして,すぐに飽き てしまいます.実際に遊ぶうち,その玩具のもつ論理的構造が自然に伝わってい くようになっていれば,遊び手は玩具のいろいろな遊び方を自分で考えられるよ うになります.たとえばレゴブロックのように.

これは「電子回路教材」の満たすべき要件であって,玩具としてはそこまで求め なくてもいいのではないか,と思われるかもしれません.しかし,すぐに飽きて しまわない優れた玩具は,たいてい教材としても通用するものです.すなわち 「遊んでいれば自然に勉強できてしまう」ということ.

5.構成部品の働きとインタフェースが明確であること

線のつなぎ方だけでは,各部品の意味はよく理解できません.この部品はこれと 取り替えられる,というのもどうも“穴埋め問題”みたいなもので,部品の使い 方は結局わからない.“部品”を理解するには,なぜそこにつなぐのか?定数は どうしてそう決まるのか?定数はどれくらい変えてもよいものか?電気的な限界 はどこか?が知りたいのですが,だからといって,理屈や数式が書いてあればい いというものでもない.結局うまい例題の組み合わせと適切な助言がポイントの ような気がします.

ごく大雑把には,発振回路,増幅回路,入力部分,出力部分などの基本単位が組み 合わされて,意味のある回路を構成しているととらえていいのでしょう.しかし, 実際の回路(とくにアナログ回路)では,基本単位をつないでいくときの電気的な インターフェイスの合わせ方(インピーダンスマッチングのような)にテクニックが 必要で,それが回路の見通しを悪くする要因になっている.

無理を承知でいえば,回路図が提示される場合,基本回路の組 み合わせと回路間のつなぎ方,という視点から理解できるようにしてほしいと願 います.そして,もし何かの都合で回路の基本をくずしている部分や,無理のあ る定数を用いている場合があったら,本来どうなっているべきか,をちゃんと示 してほしいのです.もしそういう構成をもつ回路集があれば,まさに珠玉という か,知的生産物として胸を晴れる作品だろうと思うのです.

[2003-08-29 追加] 学研電子ブロックに関して言えば,「学研電子ブロックのひみつ」 の登場によって,かなり補われた間があります.「拡張キット光実験60」の回路紹介も, ページ数に余裕があるせいか,かなり親切丁寧な説明になっています.

デジタルテスター買いました

電気少年だった中学高校時分は安いアナログテスターをもっていたんですが, 上京するときにもってこなくて,以来20年,はずかしいことにいままでテスター をもっていなかったので,まあ普通の家でも一家に一台テスターというのは常識だろう し(本当か?),電子回路玩具を本気で遊ぶには,たとえば増幅回路なら,入力と 出力の両方を見たいということで,少なくとも2台は欲しいところです.

2002-10-26 に秋葉原の秋月電子通商でテスターを買いました.ついでに電子パーツの買い足しもしたのですが,それは こちら

P-10 は,安いですが,直流交流の電圧電流と抵抗はもちろん,導通とダイオード極性にバッテリー(1.5V)のチェック, さらには交流の周波数とデューティー比とキャパシタンスまでカバーする優れものです. 写真は,箱の表裏,箱から出した P-10,テスターリードを引き出したところです.テスターリードははずせなくなってます. 「秋月電子通商」のロゴ入りなのはご愛嬌というかマニア心をくすぐるというか...

M3870D は,機能の割に比較的安く(とはいうものの高かった...),インダクタンスが計測できることと, PC と通信できるところが魅力でした. 写真は,箱,収納ケース,ケース内の収納の状態,ケースから出した中身(本体,テスターリード,熱伝対(温度センサー),PC通信用RS-232Cケーブル, マニュアル,通信プログラムの入ったフロッピディスク)です.

回路とテスターをつなぐためのケーブルもいると思い,両端がわに口クリップのテストリード線10本セットと, 両端がグラバーのテストリード線6本セットを千石電商であわせて買いました.それぞれ570円と920円.意外に高かった...

写真は,両端がわに口クリップのテストリード線です.わに口の名のとおり,はさんで固定します.

両端がグラバーのテストリード線の写真です.ブレッドボードに立てるピン(ひとつづつ折って使います.300円もした!)も写って います.右下の写真のように,グラバーのお尻の方を押すと小さなつめが出てくるので,これで引っ掛けて固定します.

さて,せっかく買ったのでこれからいろいろ測ってみようと思います. そうそう,秋月さんがおまけにパーツを入れてくれたのですが, RS-232C(Dsub25)のストレートケーブルと,M3870用の替え電池(006P)と,周波数測定用のBNCメス-バナナオスの変換コネクタでした. BNCコネクタは,アマチュア無線のハンディトランシーバのアンテナ端子などにも使われる,高周波信号を流す同軸ケーブルの 接続用によく使われます.オシロスコープの入力端子はBNCなので,これがあればテスターにすばやくつなぎかえられる,というわけです. テスターのプラグ間隔(19mm)が多くのメーカで共通しているということをはじめて知りました...

バリコンとバーアンテナのこと

テスターを買ったので,300 in 1 と kid invetor につ いて,バリコンの容量とアンテナコイルの(バーアンテナ)インダクタンスを測 ってみました.電子ブロックは,バリコンとバーアンテナが結線された状態にな っているので,わざわざはずして測ることはしていません.

300 in 1 のバリコンは,M3870Dでは7pFから273pFという数字が出ました.P-10 では120pFから460pFとでます.これはでたらめだ.アンテナコイルは,29番と31 番の間が250μHという値になりました.これだと共振周波数( f = 1 / 2π√(LC) で計算できますね)は約610KHz〜3810KHz となってしまいます.ううん,300μH 以上ないと計算が合わないなあ.コンデンサの容量は,33pFのセラミックコンデ ンサを38pF と測りましたので,なかなか悪くなく信用できそうですから,どう もアンテナコイルのインダクタンスはM3870Dではうまく測れないもののようです. (2002-10-29)

kid inventor のバリコンは2連になっていて(おそらくスーパーラジオ用?), 調整のトリマーがついています.トリマーをいじりながら測定したところ, M3870Dでは16〜220pFから43〜247pFという範囲の数字が出ました.P-10では低い 方がうまく測れません.コイルのインダクタンスが固定なら,容量を低いほうに するほど,可動周波数の範囲が広がります.共振周波数をいろいろ計算して,25 〜230pF の範囲に合わせました.これでアンテナコイルが,386μH などと出て くれば,ちょうど共振周波数が535-1620KHzぐらい になるのですが,どう測って も100μH未満の数字しか出てきませんでした.直流抵抗分は1.7Ωぐらいでしたので, それなら誤差は0.1%に収まる,とテスターのマニュアルにはあるのですが... (2002-10-29,2002-11-04)

インターネットで調べた範囲では,日本で市販されているストレートラジオ用ポ リバリコンは Max 270pFのものが,アンテナコイルは330μHないし360μHのもの が見つかりました.バリコンの容量はうまく測れているが,アンテナコイルの容 量はうまく測れていないといえそうです.ちなみにスーパーラジオ用だと600μH と160pFなどという組み合わせになっていました.(2002-11-04)

ネットサーフィンでいろいろ調べて,フェライトコアのような磁性体を芯材とす るコイルのインダクタンスは,周波数に依存して変わるらしい,ということを知 りました. M3870D のインダクタンスの測定は,550Hz の方形波を流してインピ ーダンスを測るという方法のようですので,バーアンテナのインダクタンスを正 しく測りたければ,たとえば 1000KHz におけるインピーダンスを測るようにし なければいけないようですね.しかし,LCRメータのカタログなどでは,そんな 高い周波数は使っていないみたいです.(2002-11-06)

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